マウリッツ・コルネリス・エッシャー

1000ピース 上昇と下降(エッシャー)<世界最小ジグソー>

上昇と下降(パズル)

1960年代の作品。透視図法を逆手にとった作品です。無限を表しているといわれています。ですが、この循環が、閉じ込められた無限でもあるわけですよね。騙し絵ですから、上昇と下降がいわゆる出発点から出発点にもどるというもので、ここから出られない。閉じ込められた無限で、まさに「日常のとりまく謎」です。ビジュアルイリュージョン(錯視)は、規則性や連続性、そして空間の奥行きが、ある方向、そして知っている景観が、知覚を鈍らせます。こうした錯視構造は、見る側の解釈が視覚になるわけです。脳にある「知っているもの」が見えるのです。

ミステリアス エッシャー
エッシャーは、ある形が徐々に別の形へと変わっていく「メタモルフォーゼ」、結晶の幾何学的な特徴や、光学的な性質をも作品としているが、「私たちをとりまく謎について深く考えをめぐらし、自分のみたものを分析した果てに、私は数学の世界にたどりついてしまった。」というように、理数的・理工的な作品だ。

エッシャー カライドサイクル
・・・エッシャーはそういった反転の形態を随所に描いています。平面で三次元を描いているという視覚のトリックから、「見ている」ものと「見える」ものを視認し、「変容」、「循環」、「無限」の表現を実感できます。

M.C.エッシャー

M.C.エッシャー(DVD)2006/11/10発売!

メーカー/レーベルより引用:M.C.エッシャー(1898-1972)の作品と人生の軌跡を追う唯一の傑作ドキュメンタリー!!という発売されたばかりのDVDです。ディスクの裏に「天国と地獄」がプリントされていますが、天国と地獄は多義図形をよばれ、2つ以上の絵が確認されます。白をみつめると天使、黒は悪魔です。

ミステリアス エッシャー
エッシャーの、鏡面に写る世界をモチーフにした作品があるが、鏡面反射では反射方向が狭いものという性質の利用、拡散反射での複雑な凹凸、球面鏡の凸面鏡(車のミラーなど)、凹面鏡(スプーンのへこみなど)という平面鏡、球面鏡の特徴などを完璧に理解している。

使用されているのは「バルコニー」という、1945年の作品です。つい、小さい頃に科学館で遊んだ凹面鏡、凸面鏡を思い出しました。鼻だけが大きくうつる・・・。悲しかったです。さて、本来は、騙し絵は錯視ではありません。錯視が起きるとき、その色や形に応じて、脳の部位(どの部位か特定されていません。)が見る世界を変えるのだといいます。錯視と脳のメカニズムの研究が、現在進んでいるようです。

1000ピース 滝(エッシャー)<世界最小ジグソー>

水は流れ水車を回すのですが、水は、またもとに戻って、また水車を回す。繰り返しの作業で、永遠に終わりのない作業です。出発したはずが、また出発点にもどる。人生はこうでありたくないものです。

ブラック・ホールでも有名な ライオネル・ロジャー・ペンローズ(L.Roger Penrose)。この滝は、悪魔の三角形といわれる「ペンローズの三角形」にヒントを得たといわれています。原画を贈られ、それを参考にしたらしいです。二次元の世界に立体化不可能な三次元を描いています。不可能図形には、高次の知覚的錯覚が起こります。

エッシャーの三つの世界
1955年の作品「三つの世界」です。 水面の異空間との一元化ですが、水面下の鯉、水面上に浮かぶ葉は、上と下という対比でしょうか。陸には葉がすっかり落ちてしまった樹木が水鏡に映した姿は、水中に影を落としています。

1000ピース 爬虫類(エッシャー)<世界最小ジグソー>

爬虫類(パズル)

絵の中から抜け出して三次元の世界にあらわれた爬虫類は、また絵の中に戻っていきます。次元を行き来する爬虫類。両生類から分かれて進化した爬虫類。鳥類系統や、海、陸と、それぞれ生態系も異なるけれど、爬虫類。この作品、死後のよみがえりといわれているようです。次元を行き来するところの「あの世とこの世」なのでしょうか。作品の中の作品、平面の空間を隙間無く埋め尽くすタイリングの爬虫類から、生物となって動きだす、二次元と三次元を見事に映し出しています。

1000ピース 昼と夜(エッシャー)<世界最小ジグソー>

昼と夜

昼と夜は、1938年の作品です。白と黒のグラデーション。すべてが白い鳥かと思えば、左側は黒い鳥。平面の正則分割で、フィギュアとグラウンド、つまり鳥と畑が双方可能な対象形態と、色彩の対象色である左右の白・黒が、徐々に差異が連続し、「変容」していきます。この絵は、上下、左右というよりも、白をみて、黒をみて(どちらが先でも)というパターンが多いようです。視覚のトリックを充分楽しめます。

スーパーエッシャー展 by Bumkamura
作品に、寓話的な捉え方を嫌ったというが、ジョークでも、その笑いのネタの理由をいちいち話す奴もいないし、聞く馬鹿もいない。みれば、エッシャーがどれだけ理工的なものをつくり上げたかということだけだ。その作品の理論をエッシャー自身が説明したという。「なぜならば」という定理の証明かい。

エッシャー カライドサイクル
エッシャーが愛好したケプラーの多面体というのが、正12面体と正20面体のみ星形正多面体にあたり、それが、ケプラーが発見した「星形小12面体」、「星形大12面体」です。

Kaleidocycleを、数学的要素を絡ませると、大学の講義にも使えるらしいですが、これはエッシャーとは別に、カライドサイクルという原理です。美しい + 形 + 輪の意味を意味をもつ無限に回転する四面体。

人間の注目する視点はさまざまで、色彩の対象色の表現が、白にむけば白い部分が浮かび上がるというように、黒の部分と一度に識別はできません。エッシャーはそういった反転の形態を随所に描いています。

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